有機ドライフルーツのお話し

パンに合う食材といえばドライフルーツですが、今回はドライフルーツにまつわるお話しです。

ドライフルーツの中で一番代表的なものは、何と言ってもレーズンでしょう。

正直言うと僕はこのレーズンがそんなに好きじゃありませんでした。

ぶどうはそのまま食べた方が一番美味しいのに、なんでわざわざ干す必要があるのか。

しかも干したらぶどうとは別物になるし。そんなことを思っていました。

僕が当時修行していたお店では、レーズンを仕入れてそのまま使わず、まずはお湯でじゃぶじゃぶ洗っていました。

レーズンを出荷するまでの生産工程で施される、オイルコーティングを剥がすための作業です。

そうして少しふやかしたレーズンはそのままだと、水っぽいのでしっかりと水分をきり、その後ラム酒で香り付けをしていました。いわゆるラムレーズンです。

ラムレーズンにするとなんとなく美味しいなと感じ、僕自身それがレーズンの正しい使い方だと思っていました。

しかしある時、パティシエの方にレーズンは洗ったらダメだと言われました。

理由を聞くと、洗うとレーズン本来の旨味や栄養素が台無しになってしまう。

洗わずにそのまま使うのが一番良いのだと。

なるほどとは思いましたが、その場ではそこまで納得しきれていませんでした。

そのままのレーズンとラムレーズンを食べ比べてみても、明らかにラムレーズンの方が美味しく感じたからです。

それからしばらくたって、有機レーズンを食べる機会がありました。

業者の方にサンプルとして頂いたもので、もともとオーガニックに興味があったので、試しに食べてみました。

一粒食べた瞬間にはっきりと違いが分かりました。

濃厚な味と香り。

そしてしっかりとしたぶどうの味が感じられました。

この時パティシエの方が言っていたことが、一気に腑に落ちました。こういうことだったのかと。

有機ドライフルーツには素材本来の旨味、甘味、栄養素が濃縮されています。

余計な手を加えずとも十分美味しい素材です。

もちろんお店にも有機ドライフルーツをそのまま使ったパンを置いています。

ちなみに自家製酵母は有機レーズンからおこしています。有機栽培で育ったフルーツには、天然の酵母がしっかり生きていて、とても力強い発酵力を持っています。

是非一度ご賞味ください。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2016